日本酒は何をもって辛口なのか、というのは日本酒に仕事として関わるものとしては常に付きまとう話題です。
店頭で「辛口」の日本酒を欲するお客様に試しにフルーティーなお酒や旨口の日本酒を試飲してもらったところ、それを気に入り購入していただく、というのは日本酒酒屋の日常風景です。辛口の定義は人それぞれであり、そのニーズを探し出す工程が酒屋の付加価値でもあるわけです。
余談が長くなりましたが、こちらの「澤の花 辛口純米 花ごころ」は100人呑んだら99人は辛口の日本酒と思われることでしょう。それでいながら、麹を思わせるようなふくよかな風味がとても心地よいのです。
ほのかに炊いたお米の香り。口当たりは、かすかな甘味とふくよかな旨味を感じますが、中盤からスパッとシャープな切れ味を出してフィニッシュします。
シャープなキレを味わうためにも、まずは冷酒で召し上がることを個人的にはおすすめします。
口内をリセットしてくれる効果があるため、和食を中心に幅広い食事と合わせることができます。季節的にも刺身や鍋でクイッといきたいところです。
特定名称 | 純米 |
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アルコール度数 | 15% |
日本酒度 | - |
酸度 | - |
アミノ酸度 | - |
使用米・精米歩合 | 長野県産酒造好適米(精米歩合65%) |
酵母 | |
酒母 | 速醸 |
長野県佐久市で造る伴野酒造は、「澤の花」「Beau Michelle(ボー・ミッシェル)」の二銘柄が主力。
スッキリ・キレ味の良さが特徴で食事を引き立ててくれる「澤の花」と甘酸っぱくお酒単体でも杯が進む「Beau Michelle」は、互いに対極を成すような酒質ですが、二銘柄とも非常にレベルが高く仕上がっております。
蔵元杜氏である伴野貴之さんは酒造りへのこだわりはもちろん、酒造業界や酒販業界にも一家言ある気鋭の造り手。伴野さんの酒を楽しむのはもちろん、一酒屋として議論を交わすのも非常に勉強になる酒蔵です。