枝豆に合う日本酒はコレ!おすすめ5選

枝豆

 

枝豆と言えばビール、ビールと言えば枝豆、というくらいにはテッパンの組み合わせとして世の中に認知されています。そんな凝り固まったテンプレに風穴を開けるべく、不肖私が立ち上がりました!


枝豆にはビールしか合わないのか?いえ、決してそんなことはありません。日本酒が得意とする同調を生かしたペアリングを見つけられれば、ビールとはまた違った新たな世界が拓けますよ。


目次

枝豆の種類


枝豆は、品種としては数百種以上あるとされていますが、ペアリングの観点からは、ざっくり茶豆とそれ以外に分ければ充分です。


茶豆は通常の枝豆よりもより味が濃く、うま味も強いため、日本酒に合わせるのに向いています。


というわけで、今回は冷凍の茶豆をメインに検証を行いました。


枝豆に合う日本酒


枝豆の青臭い豆の香りと日本酒の吟醸香は相性が良いのではないかと予想してましたが、これは外れでした。


全くダメというほどでもありませんが、どこか違和感が残ります。そんなわけで、吟醸香は控えめの酒をチョイスしましょう。


次にボディの強さですが、これはミドル~フルボディのしっかりした純米酒がおすすめです。枝豆はシンプルな塩のみの味付けゆえ淡麗で軽い酒が合いそうな気もしますが、特に茶豆は意外なほどうま味が強く、淡麗な酒だと対抗できません。


それから、酸味の少なさもポイントです。枝豆のふわっとふくらみのある旨味に対して酸味は今一つ馴染まず、同調性を下げる要因になります。


これらを総合すると、火入れのどっしりした、いわゆる燗酒系が枝豆と好相性であることがわかります。


さらに燗にすると、酸が抑えられ、よりうま味が増すため、冷酒で合わせるよりも断然おすすめです。

 

不老泉 速醸特別純米 原酒 参年熟成

 

 

不老泉の定番純米酒です。枝豆と見事に同調してくれます。55度くらいの飛び切り燗にしたほうがこの酒は映えます。ふくらみのある米の風味が、味の濃い茶豆にぴったりです。

ちなみに同じく定番の参年熟成赤ラベルも悪くないですが、山廃独特の酸が若干あるので、ここは速醸の白ラベルのほうがいいですね。


不老泉 山廃 純米酒 旨燗

 

 

不老泉からもう一本。 わずかに乳酸を感じさせる立ち香で、含むと柔らかい口当たりと心地よい甘味を感じます。その名の通り、圧倒的に燗がおすすめ!温度は43度くらいでうま味が増して最も同調しました。

 

そして甘さが少ない枝豆に対して、この酒の丸みのある穏やかな甘味がナチュラルに補完されるのです。同調と補完が同時に行われる複合的なペアリングを楽しめますよ!


大那 特別純米 生酛造り 

 

 

大那は全体的にうま味が強めの酒質ですが、これは特に米の風味がすごいです。サブタイトルに「ザ・ご飯」とつけたくなるほど。この米っぽさが、豆類に特有のふわっとした香りとマッチします。また、アフターでかすかに渋みを感じますが、それが全体を引き締めています。


これも燗がベターですね。やや低めの40~42度くらいでどうぞ。


大治郎 生酛純米 吟吹雪

 

 

SAKE Streetで扱う酒の中では不老泉と双璧をなす濃醇ガッシリ系銘柄です。

こちらは、やや酸があって締まった味わいなので、茶豆もいいですが少しあっさりしたフレッシュ感のある枝豆でもよく合います。


言うまでもなく、冷酒よりも燗でお試しください。


燦然 特別純米 雄町 原酒 秋あがり

 

 

枝豆に合う酒米の品種は?と言われたらやはり雄町を推したいですね(そんなことを聞く人がいるとは思えないですが)。


特有の深いコクや舌の奥で広がるふくよかな味わいは、まさに枝豆とベストマッチ。こちらもそんな雄町の特徴が良く出たお酒です。

口当たりが柔らかくて濃醇なボディ。酸が弱いため、スムーズに枝豆と馴染んでくれます。

 

そして何度もしつこいですが、これも燗でポテンシャルを最大限引き出すことができます。


まとめ


今回、枝豆と同じく庶民派の酒ということで、普通酒や本醸造などのアル添もいけそうだと踏んでいましたが、思いのほか酒が軽く、もうひとつ合いませんでした。

やはり、芯のある純米酒がベストチョイスと言えます。


とはいえ、どんな酒でも大きく外れることはなく、それなりには合います。あまり気負わずにいろいろ試してみてください!

 

酒井 辰右衛門

酒井 辰右衛門

J.S.A. SAKE DIPLOMA / 国際唎酒師 / 日本酒ペアリング研究家

ミュージシャンとして活動する中で、ひょんなことから日本酒に目覚め、一気に沼へ。 現在は日本酒と料理の相性を様々な角度から探るweb「日本酒ぺありんぐ総合研究所」の主宰として日々飲酒に励んでいます。食中酒としての日本酒の可能性を広げるために、およそ合いそうもないエスニックや洋食、スイーツなどとの相性を探るのがライフワークになっています。初心者向け日本酒セミナーの講師としても活動中。