「生酛」という製法で造られた日本酒は、数ある日本酒の中で約5%程度と言われています。通常の日本酒が工業的に生成された乳酸を用いるのに対し、生酛は空気中の乳酸菌を取り込み、それの生成する日本酒を活用するタイプの製法です。味わいの傾向として酸が立ちボディが太目なお酒が多い中、その特徴が鋭く現れているのが舞美人の特徴です。
外観は乳白色にやや黄色がかっております。あまり見慣れない外観ですが、品質に問題はありません。タンクの底特有の滓の濃さに1年半ほどの熟成がかかっていることが理由です。
ほのかにヌカのような香りと、乳酸を思わせる酸い香り。口に含むと、重厚なアルコール感に鋭い酸味がやってきて最後は酸味と調和した苦味を感じながらフィニッシュしていきます。
冷酒も良いですが、温めると旨味と酸味が爆発的に感じられておすすめです。
麻婆豆腐など香辛料の効いた料理や、スパイスの効いたエスニック料理など濃いめの味付けの料理と合わせると楽しいです。
特定名称 | 純米 |
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アルコール度数 | 17-18% |
日本酒度 | +2.0 |
酸度 | 3.2 |
アミノ酸度 | - |
使用米・精米歩合 | 国産米(精米歩合:60%) |
酵母 | 蔵付酵母 |
酒母 | 生酛 |
JR福井駅から車で10分ほど、越前美北線六条駅から歩いて行くこともできる美川酒造場。インパクトのある酸味が特徴的な「舞美人」はここで醸されています。
6代目蔵元の美川欽哉(みかわきんや)さんは当店でも取り扱う「不老泉」と出会い、酵母無添加の山廃造りに興味を持ったそうです。「sanQ酵母」と美川さんが名付けた美川酒造場の蔵付き酵母は、酸を出す力が並外れているのが特徴的。この酵母を活かした個性の強さが「舞美人」の魅力です。