バナナケーキのような香りのなかに、わずかにオイリーな香りを感じます。
生原酒の状態で熟成が進み、しっかりと旨味を感じます。あわせて、今期の鳴海らしい酸味。
どっしりした味わいはキレよく流れていき、香ばしさのある含み香が穏やかに余韻として残ります。
これまでの鳴海にはないボリューム感。それは、菊池杜氏による酸の表現により成立しているバランスです。
ちょうど同時期にリリースされた「ひやおろし」は、秋酒らしい旨味を感じつつも軽快に飲み進められますが、こちらは「秋の生原酒」として、よく対比がとれています。
火入れと生、2つの秋酒を飲み比べてみるのも楽しいですね。
洋食から中華まで、幅広い食事に合わせて。冷酒でも燗酒でも美味しく飲める味わいです。
特定名称 | 特別純米 |
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アルコール度数 | 16度 |
日本酒度 | - |
酸度 | - |
アミノ酸度 | - |
使用米・精米歩合 | ふさこがね 精米歩合60% |
酵母 | - |
酒母 | 速醸 |
関東有数の漁港として有名な、千葉県勝浦市の地酒として愛されてきた東灘醸造。2006年に限定流通銘柄としてリリースしたのが「直詰め」によるフレッシュさが人気を得ている「鳴海(なるか)」です。2020年夏には、杜氏の退職により一度は休造を決意した6代目の君塚敦社長。しかし当店も絡んだご縁で、実力派の菊池譲杜氏が酒造りを担うことが土壇場で決まりました。新杜氏が醸す「鳴海」はこれまで以上にフレッシュ感のある酒質で評価を高めています。