貴醸酒で有名な榎酒造の「華鳩」。会長(91歳)が「もっともっと濃くて甘〜い貴醸酒を造りたい!」と、通常三段仕込みで造るお酒を六段仕込みで造ってしまったそうです。
そんな、「貴醸酒を超える貴醸酒」です。
醤油を思わせる香りに、蜂蜜やローストナッツのような香りも混ざり奥深さがあります。
ずっと嗅いでしまう奥深さですが、嗅いでいるうちにシュガーシロップのような甘い香りも感じられるようになります。
とろりとした甘さは華鳩のスタンダートな貴醸酒よりもさらに密度高く口の中に広がっていきます。
紹興酒のような旨味や複雑味は控えめで、本格みりんのような軽い甘さです。
甘味たっぷりで余韻も長く感じられますが、上質なスイーツのようにいやらしさのない甘さなので、心地よく楽しむことができます。
まずは冷やして飲んでいただくのがオススメ。炭酸で割って、少しレモン果汁も加えてハイボールにするのも美味しいです。温める場合は常温やぬる燗よりも、いっそしっかりと温めてアフォガードのような苦甘味を楽しんでいただくのが良いでしょう。
特定名称 | - |
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アルコール度数 | 14.5% |
日本酒度 | -82 |
酸度 | 4.0 |
アミノ酸度 | - |
使用米・精米歩合 | 国産米 (精米歩合70%) |
酵母 | - |
酒母 | 速醸 |
広島湾の東南、呉市の南に位置する倉橋島音戸町に1899年創業。
1974年、当時の国税庁醸造試験所とともに全国で初めて貴醸酒を製造して以来、貴醸酒協会会長を務めるなどその技術と振興に長く貢献してきました。現代では貴醸酒を造る酒蔵も増えましたが、それでも「元祖」の実力は健在です。
「華鳩」の酒銘は、蔵が建つ「鳩岡」の地名と、「誰でも知っている言葉」として昔の国語の教科書の最初の文章「ハナ、ハト、マメ、マス、...」から名付けられたとか。