シンガポールでの現地法人設立について

シンガポールの景色

酒ストリート株式会社は、昨年(2022年)シンガポール現地法人「SAKE STREET PTE. LTD.」を設立し、12月から本格的な活動を開始します。今回は、シンガポールに法人を設立した理由や、事業の内容についてお話したいと思います。

目次

シンガポールで何をやるのか?

基本的には、日本のSAKE Streetと同じこと、つまり小売や飲食店への卸をおこないます。将来的には実店舗を作りたいと考えていますが、初期段階は倉庫だけ借りて、飲食店から受注したり、ECサイトを通して個人のお客様に販売をしたりするところから始めます。

輸出ではなく現地販売をおこなう理由

シンガポールに届いた荷物の様子
シンガポールに届いた荷物の様子

これまで、酒ストリートは輸出というかたちで海外に日本酒を届けてきました。信頼している輸入業者さんを経由して、最終消費者である個人やレストランの方の手元に届けるという形態です。そのため海外のイベントや展示会などを除き、現地の飲み手との接点が限られているため、商品の紹介や飲み方の提案など、最終消費者と深く関わることが難しいという側面があります。

酒ストリートは、小さくても美味しい酒蔵の日本酒を世の中に広めていくというミッションを持って活動しています。そのため、信頼できるパートナーが存在する地域はお任せする一方、そうでない地域では自ら販売を行っていくことを考えました。もちろん、リスクがあることなので、初めは倉庫のみとし、そろばんとロマンを天秤にかけながらのスタートとなりました。

なぜ、シンガポールなのか

シンガポールで訪れた日本酒バーにて
シンガポールで訪れた日本酒バーにて

ひとつは、市場があることです。

立ち上げに伴い、5年ぶりにシンガポールを訪問しましたが、以前訪れたときと比べて、日本食がかなり定着しているのを感じました。また、ローカルの人たちがやっている日本酒バーも、クオリティの高いお店が増えていました。

シンガポールでは大小さまざまな輸入会社が日本酒を輸入していますが、未開拓の市場や、届いていない銘柄などがまだまだ存在します。酒ストリートが取り扱っている銘柄は彼らにとってはユニークなものもあり、希少性でアプローチすることが可能です。

もちろん、銘柄の希少性はいつか追いつかれてしまうものなので、それだけではいけないことは理解しつつ、シンガポールに「舞美人」のような変態的な日本酒をいっぱい届けたいと思っています。取り扱ってくれる飲食店もいくつか決定し、酒ストリートの取り組みを応援してくれています。

長期的な展望について

シンガポールに届いた荷物の様子

冒頭でも書きましたが、お客さんが増え、売上が安定したら、実店舗をオープンしたいと思っています。浅草橋のSAKE Streetを運営しているとつくづく思いますが、実際のお店はいわば発信基地みたいなもので、それがあると認知してもらいやすく、情報を届けやすくなるからです。

また、酒ストリートの強みはオンラインによる発信なので、英語版のメディアを含めて、情報と組み合わせた販売をできるような仕組みを作っていければと思います。

そして、シンガポールのビジネスがうまくいったら、 他の国にもこのモデルを適用できるんじゃないかという妄想はしています。そういう意味でも、シンガポールでの事業を試金石として、しっかりやっていきたいと思います。