【酒蔵だより・はつもみぢ】酒蔵をもっと親しみやすい場に! 角打ち場をオープン

「原田」を醸す山口県・はつもみぢが、敷地内の倉庫を改装した角打ち場「原田酒場」

2023年8月、「原田」を醸す山口県・はつもみぢが、敷地内の倉庫を改装した角打ち場「原田酒場」をオープンしました。1819年に創業した同社は、なぜ創業200年を超えたこのタイミングで立ち飲みスペースをオープンしたのでしょうか。蔵元の原田康宏さんに、きっかけや今回のプロジェクトにかける思いを話してもらいました。

目次

酒蔵見学を身近に感じてもらうための角打ち場

酒蔵の蔵元として約20年務める中で、長く「日本酒をもっと身近に感じていただきたい」という思いを抱えていました。これまでは、酒蔵見学を通して日本酒の作り方や歴史に興味を持っていただく取り組みをしていましたが、より気軽に参加してほしいという気持ちから、角打ち場を設けることにしました。

酒蔵見学というと、少し難しく感じてしまうかもしれませんが、お酒が飲める居酒屋のようなスペースであれば、より身近に感じられるのではないかと考えたのです。また、「日本酒が造られる酒蔵で、ゆっくりとお酒を味わってみてほしい」という思いもありました。

新しい角打ちスペースは、弊社敷地内の倉庫をリニューアルしたものです。創業200年の歴史や伝統を残しつつ、新しさも兼ね備えたデザインにするために、頭を悩ませました。しかし、コンセプトをより詳細に考えていくうちに、周南市の観光の一部として、地元を盛り上げていく場になっていくことが目的のひとつになっていきました。

土と杉をテーマにしたデザイン

外装と内装は、「土」と「杉」をテーマにしています。お米と水を原料とする日本酒は、いわば自然の力を借りながら造られています。それらは土壌、つまり土の力によって変化、成長していると考え、土を採用しました。

土と杉をテーマにした「原田酒場」の外装

酒蔵は酒造りを始めるころに「杉玉」を飾りますが、杉は、古くから酒造りの神様と深い縁があり、縁起の良いものとされてきました。かつては杉の樽に詰めて運搬されるなど、杉という素材は日本酒造りのさまざまな面で愛されています。

このように、酒造りにおいて重要視され、縁のある素材を用いることで、訪れる方々と日本酒のご縁を深められるのではないかと考え、テーマのひとつに採用しました。

オリジナルカクテルやノンアルコールも提供

土と杉をテーマにした「原田酒場」の内装

日本酒は、30mlずつの三種飲み比べセットをご用意。気軽にお米や精米歩合の違いを愉しんでいただけるようにしています。

また、SAKEモヒート(日本酒+ライム+ミント)や、SAKE夏みかんサワー(日本酒+夏みかん)など、日本酒をベースにしたカクテルも提供しています。日本酒にあまり馴染みのない方でも飲みやすく、日本酒や酒蔵に興味を持っていただけるきっかけとなるようなお酒を目指しています。

SAKEモヒート

そのほか、ノンアルコールドリンクとして、麹甘酒ラテもお楽しみいただけます。豆乳と甘酒をブレンドした飲みやすいドリンクで、栄養素もたっぷりで、健康や美容にも良いのがポイントです。プレーン、抹茶、珈琲の三種を用意しています。麹甘酒ラテ、珈琲と抹茶

そのほか、今後は季節限定のメニューなども随時展開しようと計画しています。

観光客も地元の人も集える場を目指して

「原田酒場」の内観

はじめにも書いたとおり、この「原田酒場」は、観光客の方々にとって立ち寄りやすいスポットとなると同時に、地元の方々にとっても、地域の酒蔵を身近に感じてもらえるきっかけになることを目指しています。山口に住む人もそうでない人も分け隔てなく、周南の街なかを多くの人に愉しんでもらうきっかけとなる場所となることが目標です。

これからは、山口県産の材料を使用したり、地元のお店とコラボしたメニューやイベントを企画したりしながら、山口県の、周南の魅力を発信していきたいと思います。

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