2021年、リブランディングをおこなったた山口県・はつもみぢ。パッケージも従来の「原田」の文字デザインはそのまま、カラフルでインパクトのあるラベルに変身しました。 今回の「酒蔵だより」では、コロナ禍での切り替えとあってまだまだファンが知らないことも多いリブランディングについて、はつもみぢ広報の渡邊さんに話していただきました。
「日本の季節は、呑める」
1819年に「原田屋」として創立したはつもみぢは、2019年に創業200年を迎えました。 これを受け、さらに100年後もより一層日本酒が愉しんでもらえる未来を築くため、2021年にリブランディングを実施しました。
我々が酒蔵として目指すのは、「移りゆく自然を日本の酒で届ける」ことです。
島国である日本は、豊かな自然に囲まれ、四季に限らず、二十四節気七十二候という細やかな変化を感じてきました。こうした日本ならではの魅力を大切にするため、ブランドコンセプトを「あなたの季節になる造り酒屋」、キャッチコピーを「日本の季節は、呑める」に設定しました。
色づく山を表したロゴマーク
リブランディングに際し、新たにロゴマークを設定しました。
ロゴの赤は、「はつもみぢ」という社名からも連想される紅葉の色です。「もみぢ」とは、「色を揉み、出づる」を語源としており、植物が色づくことを指しています。万葉集においては、「もみじ」とは楓の葉のことではなく、日に照らされて山が色づく様子を表しています。
これらの由来から、日の出、日差し、山をモチーフにしてデザインしたのが新しいロゴマークです。
「原田」という文字デザインは、以前のものからそのまま残しています。この文字は、「原田」の「原」の中が「泉」のようになっており、その「水」が「田」に向けて滴っていく様子を表しています。水が最も重要となる日本酒のブランドとして、原点は変えないという思いを込めています。
それぞれの季節をイメージした四季のお酒
造りや味わいは変えず、どれも基本的にフルーティでフレッシュな味わいが特徴です。山口県産の山田錦、西都の雫、雄町のほか、神米と呼ばれるイセヒカリなど、お米による味わいの違いが体験できる商品もそろえています。
また、季節の移り変わりを伝えることをテーマにしている「原田」にとって、季節酒はとても大切な存在です。
「ハル」は始まりの季節なので、お酒を搾ってはじめに取れるあらばしり。「ナツ」は、暑い時期にもすっきりと飲める低アルコール酒。「アキ」は、秋に最も美味しくなる秋あがり。「フユ」は雪のイメージに合わせ、鍋料理にも合うしっかりとした味わいのにごり酒。
四季醸造の強みを活かし、それぞれの時季のイメージに合うお酒を提供しています。
これからの100年のために
前回の酒蔵だよりでは、創業200年の取り組みとして、角打ち場「原田酒場」の新設についてお知らせしました。日本酒を身近に、気軽に、呑んでいただける場を提供したいという想いを込めた空間で、日本酒カクテルや麹甘酒を使用したラテなども用意しています。
これからの100年に向けておこなわれたリブランディング。創業300年を迎えたときに、さらに多くの方に日本酒が愉しまれている未来になっているよう、これからも魅力的な「原田」をお届けできればと思います。
【酒蔵だより:はつもみぢ】
- 2023年8月:「酒蔵をもっと親しみやすい場に! 角打ち場をオープン」
- 2023年8月:「「原田」のロゴが新しくなった理由。創業200年リブランディングについて」