中華料理に合う日本酒シリーズのラストを飾るのは冷やし中華です!
本場中国ではなく日本で生まれた、いわゆる「日式中華」ではありますが、本シリーズはあくまで町中華のような、皆さんに馴染みのあるメニューをテーマにしているので無問題。
冷やし中華は昭和初期に仙台の中華料理店が考案したのが発祥とか(諸説あり)。いろいろな具材を乗せた冷たい麺を、酸味の効いた醤油ダレやゴマダレでいただく夏の風物詩ですね。
醤油ダレとゴマダレでは合う酒も変わってきますが、今回は醤油ダレで検証しました。
冷やし中華にはどんなお酒が合うのか?
ポイント①タレの味わいに同調させる
具材もいろいろ乗っていますが、最もペアリングに影響を与えるのはタレです。
今回は醤油ダレですが、甘味と酸味に醤油の塩味とコクが加わった味わいなので、単純に似通った味の構成のお酒を選ぶのが無難なチョイスと言えるでしょう。
ただ、タレがそこそこ甘いので、さらに甘味を重ねると若干くどさを感じてしまいます。よって、甘さは控えめのドライなタイプのほうが好相性です。
酸味に関しては必須と言ってもいいでしょう。酸味が控えめなお酒はタレとの馴染みが非常に悪くなります。
また、ボディは軽めがおすすめです。冷やし中華自体がさっぱりした軽い味わいのため、ここに重たいお酒をもってくるとお酒の主張が強すぎてバランスが崩れます。
ポイント②フルーティなタイプも楽しい
酸味のある料理はフルーティなタイプのお酒によく合います。冷やし中華はそれに加えて冷製ですから、フルーティな冷酒とは非常に相性がいいですね。
ただ、ここでも甘さには注意が必要。できるだけ甘味は控えめなものを選ぶようにしましょう(フルーティ系は甘味の強いものが多いので探すに苦労するかもしれませんが)。
冷やし中華に合う日本酒3選
五色彩雲 Ashiri
2024年8月末から新規取り扱い開始の五色彩雲。食中寄りのライトな酒質で、今後のペアリング記事でも活躍間違いなしの銘柄です。
Ashiriは白麹由来の爽やかな酸が特徴で、甘さも控えめ、ボディも軽いので、もう冷やし中華に合わない理由がないんですよ。
やはりこの酸味の強さがキーですね。酸味がタレにフックすることで互いの旨味が重なり合って伸びてきます。超おすすめの組み合わせ!!
layer リンゴ
もち米の発芽玄米を麹に使用し、リンゴ果汁と一緒に醸すという奇想天外なクラフトサケ。 これはヤバいです。酒単体ももちろん美味しいんですが、冷やし中華のタレとのマリアージュがとんでもない。
このお酒、パッと見のイメージとは違って甘さは控えめなんです。それに加えてリンゴのフルーティな香味がタレにプラスされることで、ギアが一段上がります。
考えてみれば、タレにリンゴ酢を使うレシピもあるくらいですから、この両者のマリアージュは必然とも言えますね。
LIBROM Mint
LIBROMは全体的にボディが軽いので、どれを選んでも冷やし中華との相性はいいですね。特にフルーティ系は間違いないです。
今回はMintを選んでみました。飲んだ後の清涼感が夏らしい雰囲気を高めてくれる、楽しいペアリングです。
まとめ
今回のキーワードは「ドライ」「軽め」「酸味」、プラスアルファで「フルーティ」ということになりました。正直、これら全ての条件を満たすお酒はあまり多くないですが、今回紹介した3つなら確実に合わせられます!
ちなみに、舞美人のSTRONGという、めちゃくちゃ酸っぱいお酒があるんですが、酸っぱすぎて全く合いませんでした(笑)
だがしかし!通常の醤油ダレに加えて、STRONG自体を冷やし中華に少量かけていただくと、これが絶品。酸味とともに日本酒のうま味も足されるからでしょうか。呑兵衛の皆様、ぜひお試しください。
【シリーズ:「中華料理」に合う日本酒はコレ!】