健康に良いことはわかっていても、なかなか使いこなせない酒粕。日本酒好きなら、「たくさん手に入れたけど使いきれなかった!」という経験をしたことがある人も少なくないのではないでしょうか。
そんな酒粕の奥深さを知り、使い方をマスターできるようになるワークショップを、2024年7月13日、SAKE Street浅草橋にて開催しました。
当日は、岡山県「燦然」、福井県「舞美人」、福岡県「LIBROM」の酒粕が登場。それぞれの酒粕の個性を生かしたメニューの試食もあり、大いに盛り上がる会となりました。
この記事では、当日の様子をレポートとしてお届け。貴重な酒粕のレシピ付き販売もご案内します!
イベントを通じて、酒粕を実際に使える人を増やしたい
日本酒の製造工程で必ず登場する酒粕。栄養価が高く食物繊維も豊富ですが、現代の食卓ではなかなか使いこなせないという悩みも。地方の小さな酒蔵からは、酒造りで発生した酒粕の処理問題に頭を悩ませる声も聞こえてきます。
SAKE Streetでは、メディアを通して、酒粕の再利用にまつわる課題を伝えながら、「酒販店として、実際に酒粕問題の解決に貢献することはできないだろうか?」と考えるようになりました。
→酒粕の再利用状況を探る - 廃棄率/再利用率の統計や取り組み事例など、最新情報レポート
そこで出会ったのが、酒粕のスペシャリストである“さけかす子“さん。これまで食べた酒粕は200種類以上。管理栄養士としての知識を生かしながら、酒粕の実用方法を広める活動をしています。
「酒粕は日本酒と同じくらいいろいろな味がある!」と熱弁するさけかす子さん。SAKE Streetが酒販店として酒蔵から酒粕を買い取り、さけかす子さんのワークショップで「使い方」と一緒に広めていくことはできないか? そんな考えから、さけかす子さんとコラボレーションし、今回のイベントを開催することになりました。
三者三様な酒粕が絶品メニューに大変身
ワークショップは座学からスタート。実際に多種類の酒粕を扱い、新潟大学大学院で研究もおこなっているさけかす子さんの知識は幅広く、ネットではなかなか手に入らない情報もたくさん。「酒粕はアルコールが含まれているから腐らない」「搾りたての酒粕よりも、少し寝かせたほうが美味しくなることが多い」という話には、参加者から驚きの声が上がっていました。
知識を身につけた後は、酒ストの取扱酒蔵3社から取り寄せた酒粕をテイスティング! もとのお酒と一緒に飲み比べられる貴重な機会です。
まずは、岡山県・菊池酒造の「燦然」。
さまざまなお酒の酒粕をブレンドさせたものですが、「燦然 特別純米 雄町」と比べてみると、バナナケーキのような甘く芳醇な香りが共通しています。
一口大にカットして、トースターで焼いたものも提供。部屋中にこんがりとした良い香りが充満します。実際に食べてみると、「チーズみたい!」「良いおつまみになりそう」という感想が飛び出しました。
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続いては、福井県・美川酒造場の「舞美人」。
「舞美人 純米大吟醸 無濾過生原酒」の酒粕ですが、木槽で三日間かけてゆっくり搾っているからか、しっとりとヨーグルトのような食感と甘酸っぱさがあります。
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そして、福岡県のクラフトサケ醸造所「LIBROM」からは、八女煎茶を使った「茶醸酒」の酒粕。
茶葉がしっかりと残っており、苦味もありますが、旨味が強く「これだけでもおつまみになりそう」というコメントが聞こえました。
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参加者にどの酒粕がいちばん好きか手を挙げてもらったところ、3種ともに手が上がり、見事に好みが分かれる結果となりました。
そして本日のメインイベント。さけかす子さんがそれぞれの酒粕の特徴を生かしたレシピを伝授してくれます。
舞美人の酒粕を使ったレモンスカッシュは、実際にみんなで作ってみます。コップの中で材料をかき混ぜ、最後に炭酸水を加えるのですが、途中でつまみ食いをして「ソーダを入れずに食べても美味しい」「ヨーグルトにかけても良さそう」というアレンジの意見も出てきました。
そのほかのメニューは、レシピを紹介しつつ、さけかす子さんが作ったサンプルを試食。あさりと野菜がたっぷり入った燦然クラムチャウダーは、酒粕がほんのり香る上品な味わい。LIBROM茶醸酒の酒粕を使ったアイスは、なぜか胡麻やホワイトチョコレートのような風味のある濃厚なアイスクリームに変身しました。
会の最後には、酒粕3種とアレンジレシピをお土産としてプレゼント。参加者の方からは、
「茶葉入りの苦旨な酒粕など、いろんな種類の酒粕と元になった日本酒をあわせて味わえるのが新鮮でした。実践パートでも酒粕レシピを作った後に日本酒をちょい足ししたりと、料理教室とはちょっと違った楽しみ方をしていました。酒粕が意外と簡単に扱えること、熟成で味が育っていくことも知ったので、持ち帰った酒粕でいろいろ試してみます!」
というご感想をいただきました!
新酒シーズンやオンラインでの開催も検討中!
個人でも定期的に酒粕のワークショップを開いているさけかす子さんですが、「日本酒好きと酒粕好きって、マーケットが重なっていないんですよね。酒粕が好きな人は健康志向でお酒にはあまり興味がなく、日本酒が好きな人は酒粕にあまり興味がないんです」と話します。日本酒と酒粕両方に触れながら、両方のファンを増やす今回のようなイベントこそが、バランスの良い消費を生み出すのかもしれません。
なお、今回のイベントに登場した酒粕3種は、SAKE Streetオンラインストアでセット販売します。イベントで登場した絶品応用レシピのリーフレットも一緒にお届けしますので、ぜひふるってご注文ください!
SAKE Streetでは、今後もこのようなワークショップをおこなう予定です。次回は、酒粕がたくさん生産される新酒のシーズンの実施や、オンラインでのセミナーも検討しています。今回登場した3社以外の酒蔵のレアな酒粕も登場するかもしれません。今後の情報も楽しみにお待ちください!
商品案内(酒粕3種セット、お酒とのセットx3)
酒粕3種セット(燦然、舞美人、LIBROM)【レシピ付き】
大好評! 個性豊かな酒粕3種を絶品レシピと一緒にお届け
燦然酒粕セット(燦然 特別純米 雄町)【レシピ付き】
まるで完熟バナナ。クラムチャウダーのレシピ付き!
舞美人酒粕セット(舞美人 純米大吟醸 無濾過生原酒)【レシピ付き】
ヨーグルトのような絶品酒粕。レモンスカッシュのレシピ付き!
LIBROM酒粕セット(LIBROM 茶醸酒)【レシピ付き】
茶葉のほろ苦さとお米の旨みがクセになる。ごま風味アイスのレシピ付き!
(ライター:木村咲貴)