【2023年版】最強の食中酒はコレ! 日本酒ペアリング殿堂入りランキング3

試飲日本酒棚

SAKE Streetのブログで好評連載中の日本酒ペアリング記事「○○に合う日本酒はコレ!」ですが、ここで何度も取り上げられる銘柄があります。このうち、特に登場回数が多いものを、殿堂入り食中酒として崇め奉ろうというこの企画!

好評だった前回のランキングからはや1年。新たに2023年の1年間に公開した記事を対象として、あらためて集計をおこないました。果たして、どの銘柄が殿堂入りするのでしょうか!?

※2023年1月26日公開のチョコレートから、2024年1月4日公開の豆乳鍋の回までを集計対象としています。扱った題材は、定番つまみ鍋シリーズが中心です。

第3位 不老泉 山廃 純米酒 旨燗

前回殿堂入りしまくっていることからも分かるように、不老泉はどのスペックであっても食中酒として非常に優秀です。ですから、前回選ばれなかった旨燗がランクインするのは当然の帰結と言えます。

まず、この分かりやすいネーミングが最高ですよね。酒質もその名の通り、燗で映えるというキャッチーな特徴があるので、記事で扱いやすいんですよ。

味わい的には山廃ながらクセも弱く、酸味が控えめなため、酸味との相性がイマイチな料理、例えば冷奴おでん枝豆あたりめなど昔ながらの酒のアテで非常に重宝します。

第2位 神蔵 七曜 純米大吟醸 無濾過生原酒

え!この料理にフルーティな純米大吟醸!?のような、意外性のあるペアリングを探るときはとりあえずこの酒を試します。

世の中には味吟醸などと呼ばれる、食中に適した大吟醸も存在しますが、こちらはそうではありません。フルーティでモダンな味わいでありながら、不思議とさまざまな料理と相性が良いのです。すき焼きサバ味噌などこってりした料理でも合ってしまうんですから面白いですよね。

フルーティとはいえ派手に香るわけではなく、ちゃんとうま味もあるあたりが食事に合わせやすい理由かもしれません。

第1位 燦然 特別純米 雄町

今回の1位は燦然

濃くてどっしり。雄町らしく、深みのあるうま味が楽しめるお酒です。こちらも旨燗と同じく酸味が控えめなため、使い勝手がいいんです。

すき焼き豚の角煮サバの味噌煮なめろうなど醤油・味噌系の味付けの濃い料理とは絶対的な相性。さらには、あたりめおでんなど、クラシックな酒肴とも合わせられる懐の広さ。特にうま味の強いものとのペアリングで力を発揮します。

いろいろと試した中でも最も印象に残っているのは豚の角煮ですね。燗にして合わせると最強のマリアージュを体験できます。これは是非試していただきたい!

まとめ

2021年の秋から2年以上も連載している日本酒ペアリングの記事ですが、一貫して「読者が自分で再現できること」をポリシーに掲げています。

このため、基本的にはSAKE Streetで常時扱いのある定番商品がファーストチョイスになり、それによる偏りが少なからず生じてしまうことはご承知おきください。

さて、今回ランキング入りした燦然旨燗は、香りも控えめでさまざまな料理と合わせられる使い勝手の良さがあります。よって、この二つは文句なし、順当な選出でした。

一方で自分でも意外だったのは神蔵 七曜

通常、このお酒のようにフルーティでジューシーな純米大吟醸となると、どうしてもペアリングの難易度は上がります。ただ、本文にも書いた通り、このお酒はどういうわけか食中酒としても高いポテンシャルがあるのです。

ちょっと捻りのあるペアリングを狙う際は、是非とも候補にしてみてください。

ちなみに1位の燦然ですが、ほぼ同じ方向性の特別純米 雄町 原酒 秋あがり山廃純米 雄町を合計すると、前回優勝の美寿々 本醸造も遥かに凌ぐ圧倒的な登場回数となります。うーむ、燦然恐るべし。

酒井 辰右衛門

酒井 辰右衛門

J.S.A. SAKE DIPLOMA / 国際唎酒師 / 日本酒ペアリング研究家

ミュージシャンとして活動する中で、ひょんなことから日本酒に目覚め、一気に沼へ。 現在は日本酒と料理の相性を様々な角度から探るweb「日本酒ぺありんぐ総合研究所」の主宰として日々飲酒に励んでいます。食中酒としての日本酒の可能性を広げるために、およそ合いそうもないエスニックや洋食、スイーツなどとの相性を探るのがライフワークになっています。初心者向け日本酒セミナーの講師としても活動中。