SAKE Streetのブログで好評連載中の日本酒ペアリング記事「○○に合う日本酒はコレ!」ですが、ここに何度も登場する銘柄がいくつかあります。
今回は登場回数の多かったものを、最強の食中酒ベスト4としてご紹介します!
※12月6日公開のポテトサラダの回までを集計対象としています。
第3位 不老泉 山廃特別純米 原酒 参年熟成
サケストで食中酒といえばまず思い浮かぶのが不老泉なんですよね。
うま味が強くゴツいのであっさりした料理には合わせづらいですが、味のしっかりした肉料理やチーズなどとは無類の相性の良さを見せます。燗でさらに相性度がアップすることが多いです。
ちなみに、山廃に限ったことではなく、同銘柄の白ラベルの速醸でも、ペアリング能力はそれほど大きくは変わりません。違いといえば、山廃のほうが若干乳酸が強いくらいかな。料理と合わせることで、より輪郭をはっきりさせたいときには山廃、酸が邪魔だと感じるときは速醸を選ぶといいでしょう。
第3位 奥琵琶湖 特撰
同率の第3位。醸造アルコールを添加した普通酒ながら、非常にクオリティが高いです。口当たりが柔らかくライトボディなのでスイスイ飲めちゃうんですが、古酒をブレンドしているため、絶妙な深みも内包しています。
この古酒の風味って、醤油ととても相性がいいんですよ。つまり、和食であればかなり広い選択肢があるということになりますね。また、やや焦げ目のついた炭火焼きやソテーなどの焼き物料理とも風味が同調しやすいです。
もちろん和食に限らず洋食や中華とも合わせやすい懐の深さがありますので、ペアリングを考える際は、常に選択肢として挙がるお酒です。
第3位 不老泉 上撰
3つ目の同率3位も不老泉。3位に不老泉が三つも並んでしまうとは……。やはり、どれも食中酒としてのポテンシャルが高いんですよ。香りの穏やかさと、しっかりしたうま味、そして味わいの複雑さ、奥深さがその要因なんでしょう。
この酒に関しては、奥琵琶湖と同じく普通酒なので、キャラクターはかなり似ています。古酒がブレンドされていない分、味わいは若干シンプルになりますので、洋風の肉料理などよりも和風の魚介料理のほうがより馴染みやすいです。
とりあえず魚介で迷ったらコレ!ってくらい、あらゆる魚介に対して最強の相性を誇ります。
第1位 美寿々 本醸造
栄えある1位はこちらでした!
もう、ぶっちぎりで登場回数が多いんですよね。困ったときの美寿々 本醸造。これがあればペアリングは大体何とかなります。値段も安いし、幅広い料理に対応しなくてはならない飲食店では本当に重宝すると思いますよ。
醸造アルコールが添加されていますが、それが非常にいい方向に効いている好例です。香りは弱く、丸みのある柔らかい飲み口。酸はごく控えめで主張は控えめのライトボディ。
どの温度帯でもそれぞれの良さが発揮され、さまざまな料理と素晴らしいハーモニーを奏でます。時には同調し、時には寄り添う。まさにキングオブ食中酒と言える存在です。
ペアリング傾向としては和食、特に魚介類がよく合います。特に、旧来のイメージにある日本酒に合うアテ(塩辛とか刺身とか)であれば確実に素晴らしいお供になってくれます。
まとめ
ベスト4のうち3商品が不老泉の上原酒造ということで、何か裏に大人の事情が絡んでいるのでは?と勘ぐる人もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません!実際合うんだから仕方ないんです!
毎回、私が独断で酒を選んでいるため、どうしても好みや偏りは出てしまいますが、それでもサケストで扱いのあるもので、なおかつ読者の方が入手しやすい定番商品となると、このあたりが候補になるんですよね。
また、醸造アルコール添加の酒が3商品を占めたというのも興味深い結果です。純米酒は主張が強いので、ピンポイントで合わせるにはいいんですが、あまり深く考えずに幅広いタイプの食事と合わせるのであれば、断然普通酒や本醸造酒がおすすめです。
軽くて飲み疲れしないというメリットもありますし、美寿々のところでも書いたように典型的なオールドスタイルのつまみの場合は、こういったアル添のほうが相性がいいことが多いんですよ。
というわけで、皆さんもっと普通酒や本醸造酒に注目しましょう。ペアリングを考える上では避けて通れないお酒ですので。
サケストには、この他にも一歩己の東豊国 佳撰や大那 あかまる等、質の高い普通酒を扱っていますので、ぜひいろいろな料理との組み合わせを試してみてください。