【超訳・日本酒用語②】日本酒の「辛口」ってどんな味? すっきり? ドライ? ぽん店長がバババーッと解決

酒瓶に手を伸ばすぽん店長

 

「辛口ください」──。これは、日本酒専門店の店員さんがよく聞くオーダーのNo.1だそうです。

頼む方からすると、なんとなく「辛口」といっておけば間違いなさそうな気がしますよね。しかし、よくよく考えてみると、辛口の日本酒を飲んで「唐辛子のような刺激」を感じたことはありません。では、日本酒業界で使われている「辛口」って、一体どんな味なのでしょうか?

本記事は、SAKE Streetの店頭に立ち、日々多くのお客さんと接しているぽん店長に、「わかりにくい日本酒用語」を聞くシリーズ2弾です。今回は日本酒用語最大の謎である「辛口」を深掘りします。 

 

前回「味がノル」はこちらから。
【超訳・日本酒用語①】味が「ノル」ってどういうこと?

 

「辛口」の日本酒は「ググッと」「うわぁ」「キュン」って味!

 

──ぽん店長、前回に引き続き、よろしくお願いします。

 

ぽん店長 通常

はい、お願いします!

 

ぽん店長

お店で大人気のぽん店長。主に中央線沿いで飲んでいることが多いそうです。

 

──今回のテーマは「辛口」です。辛い日本酒って、どんなお酒なのですか?

 

そうですね……まず、辛口の日本酒は、飲んだ時にドライに切れていくというか……。

 

──ドライですね、なるほど。

 

そして、アルコール感があって、こう「ググッと」きて、「うわ、なんかちょっとスパイス!」って感じで。

 

──?

 

あ、スパイスは言い過ぎかも。でもなんだか「あっち系でうわぁ!」ってなって、でもそれは度数じゃなくって。

 

──??

 

それで、喉を通り抜けるときに「キュン!!」ってなります。それが私の思う「辛口」です。

 

自信たっぷりなぽん店長

なんだか自信たっぷりな店長

 

──あ、ありがとうございます。

 

はい!(満足)

 

──えっと別の視点ですが、日本酒の本を読むと「ラベルに書かれている『日本酒度』が+の数字だと辛口」と書かれていたのですが、そういう考え方はありますか?

 

いえ、私は数字はあまり気にしていません。うちだと「日本酒度+10」のものが数字としては一番辛口なのですが、飲んでみると結構甘かったりするんですよね。私の中の基準では、それは「辛口」には入りません。

 

──辛口と書かれていても、辛口にならないお酒があるのですね。

 

ええ、私は感覚派として生きてきていますから。

 

ぽん店長

逆にいい

 

【実飲】SAKE Streetにある「辛口酒」をいただきました

 

──危うく、ここでブログが終わりそうになりました。そういうわけにもいかないので、SAKE Streetにあるお酒から、実際に「辛口」を飲ませてもらうことにしました。「辛口」とは何かを、自分の舌で確かめてみます。

 

澤の花 辛口純米 花ごころ

澤の花 辛口純米 花ごころ

 

こちらが、うちの辛口酒です。

 

──ラベルに小さく「辛口純米」って書かれていますね。これは期待が高まります。

 

澤の花 辛口純米 花ごころ 接写

 

 

──あ、優しい味! 飲み込むのと同時に、すーっと消えていきます‼︎

 

でしょ!? 甘さがそれほどなくって、柔らかくて、後味が軽くて、すっと消えていってくれる子(日本酒)。こういう子は、料理を邪魔しない引き立て役にぴったりなんですよ。これこそ辛口だという人は多いですね。

 

──なるほど。これが辛口なのですね……あれ? これはこれでおいしいのですが、先ほどぽん店長が話していた「キュン」や「ぐぐっと」とは違いますよね?

 

そうなんです。実は「辛口」は、人によっていろいろな味があるんですよ。

 

──?

 

「辛口」の日本酒にも、いろいろなタイプが存在する!!

  

私が最初にお話ししたのは「ガッ」「キュン!」の辛口ですよね。でも、うちのお店で一番多くのお客さんが辛口だというのは「柔らか」タイプの「澤の花」。「辛口」といっても、人によっていろいろあるんです。

 

──辛口って、ひとつじゃないんですか?

 

そうなんです。いままで話してきた中でも「ガッ、キュン!」「やさしい〜」のふたつがありますよね。そのほか、「天美※」のようなお酒を辛口と感じる人も。

 

──え、天美って、あの甘いお酒ですよね?

※SAKE Streetの人気銘柄のひとつ。

 

そうそう、私も甘いと思います(笑)。でもきっと「酸」があって、後味が「きれい」だから、飲む人によっては「辛口」になるんだと思います。なので、「辛口」って、人によっていろいろあるんですよ。

 

SAKE Streetで「辛口」といわれたことのあるお酒たち

SAKE Streetで「辛口」といわれたことのあるお酒たち

 

辛口の日本酒のタイプ

 

①ガッと系

甘さはほぼなし。アルコール度数が高めで、アルコール由来のドライな喉越しを感じる。

 

②やわらか系

甘さ控えめ。やわらかく透明感のある飲み口と、すっと消える余韻。いわゆる「淡麗辛口」タイプもここに入る。

 

③きれい系

甘みはあるものの、全体的に「きれい」な味わい。

 

日本酒の7割は「辛口」だった!?

 

──「辛口」の日本酒にはいろいろなタイプがあるとのことですが、反対の「甘口」もそうなんでしょうか?

 

いえ、甘口はわかりやすいですよ。「甘いお酒」なので。

 

それはそれ、といっているところ

それはそれ、といっているところ

 

甘口は、それこそ「すごいフルーティー」とか、「貴醸酒」みたいな本当に甘いお酒かですね。

 

──「甘口」はひとつなのに、「辛口」はたくさんある、なんだか不思議ですね。

 

ええそうなのです実は世の中の日本酒の7割方は「辛口」ではないかと我々は考えています。

 

ひょっこりしている二戸さん

誰?

 

どうもSAKE Streetの二戸です先ほどからずっと聞いていましたよ。

 

──ああ、ありがとうございます。

 

「辛口ください」という人の頭の中にある「辛口の日本酒」に合致するのは実は全体の1割か2割くらいしかないんですね要するに「辛口」という表現はとても幅広いわりに使う人が「辛口」と感じるお酒の幅はとても狭いのです好みが多様といえばいいですけどそれだけひとつの味ではないというかつまり辛口というひとことで商品を選ぶことはとても難しいと感じていますわれわれは。

 

辛口って多い!

 

「辛口」がほしいときは、お店でなんていえばいいの?

 

──辛口というのがいかに広い言葉か……とてもよくわかりました。一方「辛口ください」という人も相当数いるのですよね? そんな時はどうするのですか?

 

はい、「テイスティングしてもらう」しかないですよね。

最初は「澤の花」のようなお酒を味わっていただいて、「もっと強いほうが辛口だ」と言う人には、「①ガッとタイプ」のお酒をおすすめしますし、フルーティーな方がよければ「③きれい系」の天美のようなお酒を選んでいただくこともあります。

 

──そんなの、一発で当てるのは無理ゲーじゃないですか。

 

そうなんです! ですので、会話を通して好みの情報を引き出せるか、が酒屋さんの腕の見せどころですよね。

 

接客のホスピタリティがえぐいと評判のぽん店長

接客のホスピタリティがえぐいと評判のぽん店長

 

「辛口ください」だけで何かを決めるには範囲が広すぎますし、「日本酒度プラスのお酒を出す」だと、実際の印象が変わってしまう。そのため、店頭にきていただいているお客さんには、できるだけ試飲していただいて、一人ひとりにあった「辛口」を見つけていただくようにしています。

 

──なるほど。辛口酒の幅の広さと、お店での頼み方がとってもわかりました。ぽん店長、ありがとうございました! ライターの個人的感想ですが、「澤の花」の辛口は、家に常備したいお酒でした。買いだめして、じっくり味わいます!!

 

SAKE Street有料試飲料金表 

ちなみに、SAKE Streetではさまざまな辛口のお酒を実際に試飲できます!

 

まとめ

 

・辛口とは、日本酒全体の7割くらいが該当する

・「ガッと系」「やわらか系」「きれい系」が、辛口といわれやすい

・自分の好きな「辛口」を注文するには、試飲して印象を伝えるべし

  

今回紹介した3つのタイプの「辛口」は、オンラインでも購入可能です。

①ガッと系
https://store.sakestreet.com/collections/wild-full-bodied 

②やわらか系
https://store.sakestreet.com/collections/clean-dry 

③きれい系
https://store.sakestreet.com/collections/fresh-fruity 

自分がどんなタイプの辛口が好きか気になる人は、ぜひ店頭でテイスティングしてみてください!

 

辛口について深く学びたい人はこちらの記事もおすすめ!
https://sakestreet.com/ja/media/what-is-karakuchi-1

 

前回「味がノル」はこちらから。
【超訳・日本酒用語①】味が「ノル」ってどういうこと?

 

 

(ライター:大久保)