カルディのお手軽つまみに合う日本酒シリーズ、今回のテーマは「イベリコ豚レバーパテ」です。
重厚なおつまみだけに、濃醇系がハマることは飲まずとも確定なんですが、実際いろいろと試してみると、飲み方の工夫次第で、それ以外も意外に合うことがわかりました。
では、そのあたりを詳しく掘り下げていきましょう。

2個セットで販売しています
レバーパテ×日本酒の合わせ方は2パターン
今回のレバーパテを食べたとき、真っ先に「赤ワインと合うだろうな~」と、日本酒ペアリング研究家としては不届き千万な感想を持ってしまいました。
そこで、ちょっと試してみたことがあります。さすがにワインそのものを登場させるわけにはいかないので、ワイン的な飲み方をしてみたのです。
つまり、いつもの日本的な口内調味か、ワインのようにお酒に後追いさせるかの比較検証です。
そもそも口内調味とは何なのか。それは食べ物を口の中で噛みながら、そこにお酒や飲み物を加えて口の中で味を混ぜ合わせる食べ方のこと。実はこれ、日本人特有の食文化だと言われています。
一方、ワインの世界では基本的に後追いが主流です。料理をひと口食べてしっかり飲み込んだあと、口の中に余韻が残るタイミングでワインを飲む。口の中で混ぜるのではなく、料理とワインが順番に口内を通ることで生まれるハーモニーを楽しむスタイルです。
今回のレバーパテに限った話ではないですが、どちらの飲み方を選ぶかによって合うお酒も大きく変わります。
口内調味:甘めで濃いお酒を選ぶ
口内調味スタイルでは、旨味が強くて甘味のある濃醇系が最適。パテの旨みと脂のコクがお酒と混ざり合って、どっしりとした満足感が生まれます。お燗にするとさらにまとまりが良くなります。
熟成感もプラスに働きます。レバー特有の香りと、熟成由来の風味は不思議と相性がよく、互いを引き立て合ってくれるのです。
また、この連載で繰り返し書いてきたことですが、脂の強いつまみには甘みのあるお酒というのは揺るぎないセオリーです。
レバーパテは脂肪分がかなり多く、100gあたり39.6g、なんと約4割が脂肪。これだけ脂が強いと、お酒側の甘みは必須になってきます。
また、レバーパテ自体の味は塩気と旨みが主体で、甘さはほぼゼロ。そこに甘味のあるお酒を合わせることで、欠けている味を補完する形にもなります。
逆にドライなタイプはやっぱり合わせにくく、どこか浮いた印象になりました。
後追いスタイル:酸味の強いお酒を選ぶ
一方、ワイン的な後追いスタイルでは、酸味の強めなお酒が機能します。レバーの脂っぽさをすっきりリセットしてくれて、次の一口がまた欲しくなる。まさにワインのペアリングに近いニュアンスですね。
お酒のボディも、重すぎると逆にバランスが崩れます。ダイレクトに食べ物と混ぜるのではなく、あくまで余韻に合わせるので、相応に軽いお酒が適しています。ただし、ある程度の甘味とうま味は必要。
ただし、フルーティな香りが強いとレバーの臭みがやや強調されてしまうので、落ち着いたタイプを選びましょう。
この場合は冷酒でも大丈夫です。
どちらの合わせ方が正解ということではなく、その日の気分や合わせるお酒によって使い分けると楽しいですよ。

検証中の様子
では、実際に相性が良かったお酒を紹介していきます。
イベリコ豚レバーパテに合う日本酒4選
燦然 特別純米 雄町
この手のどっしり系つまみに合わせるなら、まずは定番のこちら。
甘味・旨味・ボディ感、三拍子そろって文句なし。完璧です。さらに、ほんのりある苦味が、レバー特有の長い余韻と絶妙に重なるのも面白いところ。
当然、お燗で合わせるのがベストです。
不老泉 山廃仕込 特別純米 原酒 参年熟成
ご存じ不老泉のフラッグシップ。
ほど良い甘味に加えて、独特の風味と熟成感。この熟成由来のニュアンスがレバーの土っぽい香りとなぜかよく合うのです。こちらも50度くらいのお燗でどうぞ。
たからやま ワイン樽貯蔵
2026年6月からの新規取り扱い銘柄になります。
とにかくお酒単体としての完成度が高い。ボディはやや軽くなるものの、ワイン樽由来の複雑な香りと渋みがレバーの味わいと見事に共鳴します。
温度は冷酒から常温がおすすめ。基本、口内調味型ではありますが、ボディが少し軽めなので、ほんの少しだけレバーパテが口に残っているくらいでお酒を合わせてみてください。
楽の世 純米 雄町四段
甘酸っぱさが特徴ですが、口内調味でも酸味はあまり邪魔になりません。まず、甘みがしっかりあることが安定したペアリングにつながっています。
そして、ワイン的に後追いしても酸味がいい働きをしてくれるのです。
口内調味でも後追いでもどちらでも楽しめる懐の深さが最高ですね。
まとめ
今回の結論はこちら。
口内調味なら → 旨味が強くて甘味のある、濃醇タイプをお燗で。
後追いで合わせるなら → 酸味が強いタイプを冷酒で。
どちらにせよ、軽すぎるお酒や辛口、フルーティ系は向きません。
日本酒ペアリングは口内調味が基本ですが、手元にあるお酒が軽いものしかなければ、ワイン方式で合わせてみる。それによって合わせる幅が広がりますので、覚えておいて損はないと思います。
なお、今回の検証で個人的に一番合うと感じたのは華鳩 貴醸酒 12年熟成でした。甘みの強さ、ボディ、そして熟成感。濃いレバーとの相性が抜群でした。残念ながら、現在は取り扱いがないため選外でしたが、もしどこかで熟成した貴醸酒を見かけたら試してみてください。
ちなみに以前、プライベートのブログで究極の定番酒・剣菱とこのレバーパテを合わせた記事も書いているので、気になる方はそちらもあわせてどうぞ。今回の検証結果ともしっかり繋がっています。
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