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創業110周年。運命を感じる酒米から生まれた新商品【酒蔵だより:畑酒造】

創業110周年。運命を感じる酒米から生まれた新商品【酒蔵だより:畑酒造】

昨年2025年に創業110周年を迎えた滋賀県の酒蔵、畑酒造。記念すべき年に、新たな酒米「神力」で醸した新商品、喜量能(きりょうよし)生酛純米吟醸を発売しました。

畑酒造・女将の畑 久美子さん曰く、酒米「神力」の名前の由来が銘柄と同じ「きりょうよし」と知り、大きなご縁を感じながら酒米に向き合ったのだそう。今回の酒蔵だよりでは、常に従業員への感謝の気持ちを大切に、真摯に酒造りに向き合う畑酒造の2025年の日々を綴ってもらいました。

目次

創業110周年を迎えた2025年、田んぼに現れた新たな課題

4月、5月と酒米作りに精を出す日が続きましたが、この2ケ月の間でも天気の変動が激しく、大変驚かされる毎日でした。

現在自社で栽培している品種は「吟吹雪」「神力」「渡船二号」の3品種です。

栽培する上で、昨年あたりから田園に生える雑草にも変化がおこっており、大変苦労しました。「ヒレタゴボウ」という雑草です。

黄色の可愛いらしい花を咲かせるのですが、水田などに生育する一年草として繁殖します。成長すると茎が木質化し固くなるため、コンバインでの収穫作業が困難になります。朝5時からの酒米田圃の草引きも、数日後には「もう、伸びてる~~」と驚きの日々が続きました。

ヒレタゴボウ

ヒレタゴボウ

酒米の収穫後は、田んぼに残ったヒレタゴボウが種を作るため、次年度の発生リスクが高まります。種子を増やさないよう、今後の対策が課題です。

さまざまな課題を乗り越え、今期の酒造りに向き合う

2025年10月14日の令和7BY初蒸しからおよそ170日となる2026年3月23日に、無事甑倒しを迎えることができました

蒸米の様子

酒米の田植え、出穂、そして収穫までの日々。
田植えが終わり、出穂の時期になると水の管理、日照りや病害虫の対策、良いタイミングでの肥料の管理が重要になります。長期の強い日照りのため、登熟し過ぎたり焼けて黒くなったりと、たくさんの心配事が絶えない日々でした。

出穂までお世話してきたなかで込み上げたのは、「ここまで来た」という想いと「ここからが正念場」という想い。

酒米の稲刈りが遅れ、醸造計画に頭を悩まされましたが、希望していた酒米量も蔵に届き、最後の蒸し作業では一同、安堵しました。従業員のみなさんへ労いの気持ちでいっぱいです。

蒸米の作業をする二人

酒米「神力」で醸した「喜量能 生酛純米吟醸」

2025年は、畑酒造創業110周年の年でした。この年に新商品である、「喜量能 生酛純米吟醸」を発売できたことは大変大きな出来事でした。

喜量能 生酛純米吟醸

このお酒の造りは遡れば2024年5月、酒米「神力」の栽培から始まりました。弊社が創業当時から醸す銘柄に「喜量能(きりょうよし)」があります。実は、神力米はもともと「器量良(きりょうよし)」という名前だったことを知ったのが、ちょうど創業110年の節目の年でした。なにか大きな御縁を感じながら、この酒米を育ててお酒を醸すことへ、胸が高鳴ったのを覚えています。

栽培に関しては、初めての品種であるだけでなく、年々の猛暑日もあり、不安だらけのなか、「一生懸命やれば身を結ぶ」とただただ信じるしかありませんでした。

そして誕生した創業110周年の酒「喜量能 生酛純米吟醸」。滋賀県守山市にある福祉施設「あじさい園」様が漉いた胴ラベルに、デザインは江湖庵庵主の齋藤江湖(さいとう こうこ)氏に書いていただきました。

齋藤江湖氏は、印章木口彫刻師(一級技能士)で書道家。弊社代表、畑大治郎と高校の同級生です。日々、お忙しくされているなか、今回ラベルのデザインをお引き受けくださいました。

齋藤江湖氏と畑大治郎代表

齋藤江湖氏と畑大治郎代表

今回のデザインについて、齋藤江湖氏からは、「神力米をイメージして力強さと温かさを表現しました。何よりも『喜ぶ』を大きくすることで、造り手も吞み手も喜ぶきりょうよしの話を語り合えたら」という素敵なコメントをいただきました。

創業111年、2026年の酒造りに向けて

数年前に瓶詰機を新しく導入し、これまでは3人体制で行っていた瓶詰め作業も2人で出来るようになりました。瓶詰め機のほか、洗米機や、排気ガスが出ないため蔵の中でも安心して充電式リフトを新たに導入。設備投資することで効率アップをしながら少人数でも対応できるよう、少しずつですが弊社に合ったお酒造りへと環境を整えていっています。

2026年も、こうした新しい取り組みを積極的に目指して進んでいこうと思います。

畑酒造さん

畑酒造

「喜量能(きりょうよし)」と「大治郎」を醸す畑酒造は滋賀県東近江に位置します。喜量能は畑酒造代々の伝統を守った造り、4代目蔵元の名を冠した「大治郎」は現蔵元の感性が反映された日本酒です。

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