全国新酒鑑評会で2年連続金賞を受賞するなど、その高い技術が評価されている「山丹正宗」醸造元の八木酒造部(愛媛県)が、この春、新しく「山丹正宗 IMABARI HERITAGE 1831」を発売します。
今回の酒蔵だよりでは、「山丹正宗 IMABARI HERITAGE 1831」に込めた想いとその味わいの秘密を八木酒造部8代目蔵元の八木伸樹さんに綴っていただきました。
世界に誇れる今治の酒を造りたい

「山丹正宗」醸造元の八木酒造部は、2026年4月15日に「山丹正宗 IMABARI HERITAGE 1831」という新商品を発売します。この日本酒は、地元今治産の有機栽培米「松山三井」を30%まで精米し、越智杜氏伝承の技を尽くして仕込んだ純米大吟醸酒を瀬戸内海をイメージしたボトルに詰めた、山丹正宗のフラッグシップ酒です。
もともと、パッケージデザインを手掛ける地元企業ハラプレックス社と「何か新しい商品を作ろう」という何とも漠然とした始まりだった当企画でしたが、いろいろと議論する中で「今治を象徴するようなお酒を造りたい」という思いに至りました。
今治市は今治タオルが有名ですが、実は古来より海上交通の要所であり、現在では日本の造船・海運産業の30%を占める国内最大級の海事都市です。造船・海運においては、起工式※や進水式※、船出のたびに安全祈願の神事が行われ、当然お酒とも深い繋がりがあります。
また、今治市は自然も豊かで、最近ではオーガニックビレッジ宣言をおこない、有機農業の推進にも力を入れています。そんな今治市唯一の酒蔵として、今治の魅力を存分に盛り込んだ世界に誇れるお酒の開発へと舵を切ることになりました。
※ 起工式:船の建造開始を告げる儀式
※進水式:できた船を初めて海に浮かべ、その誕生を祝い、航無事を祈る儀式
「綺麗で華やか」を実現させたアッサンブラージュ

酒質としてはわかりやすく「とにかく綺麗で華やかであること」を目指しました。酒米は当然、今治産のお米ということで、地元の長尾農園さんに有機栽培米「松山三井」を作ってもらい、綺麗さを追求するために当社で初めての30%精米とすることにしました。水は蔵の井戸水「山丹の水」です。
また、華やかさを出すためにタイプの異なる2種類の酵母を選択しました。ただ2種類の酵母をブレンドするのではなく、それぞれでお酒を造って搾ってから混ぜるというアッサンブラージュという手法を選びました。酵母をブレンドするとどうしても一方の酵母が優勢になったり、再現性がなかったりするのですが、アッサンブラージュだとそれぞれの酵母の特徴がきっちりと製品に表れます。手間は倍増ですが「とにかくやれることは全部やろう」ということで、現場からの不満は一切出ませんでした。
ハラプレックス社によるボトルは、瀬戸内海のブルーに光が差した波のシンボルを入れた落ち着いたデザインで、格子状の和柄が入った箱に入れて提供します。商品名は、今治の歴史や文化、技術を未来に継承するという意味を込めて、「IMABARI HERITAGE 1831」と名付けました。1831は当社の創業年です。
あなたの船出に寄り添う特別な日本酒
「松山三井」は元々食用米で、かつ有機栽培なのでどこまでふくよかさが出るか不安がありましたが、30%精米かつ蔵の技術により、山田錦に負けない綺麗さとふくよかさを持ったお酒ができました。
また、アッサンブラージュの効果で、リンゴのような香りのカプロン酸エチルとバナナのような酢酸イソアミルの両方の特徴が複層的に感じられます。酸味や雑味は少なく、このお酒が持つ香りの強さがストレートに甘み、旨味に繋がっています。
料理とのペアリングとしては、生牡蠣、白身魚のカルパッチョや、塩で頂く天ぷらなどが良く合います。
「山丹正宗 IMABARI HERITAGE 1831」は、今治の伝統と恵み、そして未来へと受け継ぎたい想いを込めて醸しました。 当社では初となる720mlで1万円超えのプレミアム日本酒ですが、特別なお祝いや門出、神事など、安全や成功、再会などを祈念して乾杯で飲んでいただきたいお酒です。
【酒蔵だより:八木酒造部】
- 2023年夏:「水もと仕込みに初挑戦した「山丹正宗 華帯」」
- 2023年秋:「水酛造り第2弾「山丹正宗 MINAMOTO」について」
- 2025年春:「蔵の柱。定番酒「山丹正宗 純米酒 松山三井」ってどんなお酒?」
- 2025年夏:「連続金賞受賞の裏にあった決断とこれからの酒造り」
- 2025年秋:「令和の米騒動下で迎える新たな酒造りの季節」
- 2026年冬:「世界6カ国の日本酒&グルメ事情を蔵元がレポート!」
- 2026年春:「造船の街・今治で生まれた”あなたの船出を祝う”日本酒。「山丹正宗」新商品誕生の物語」






































